2025.10.31
【漢方を科学的知見から】六味丸の効能について

【六味丸について】

六味丸は補腎剤としての特性を有し、

「耳鳴り」、「頻尿」、「糖尿病」、「腎臓病」

などに応用されることが多い漢方薬です。

味丸には補陰作用といって

血(けつ)」「津液(しんえき)」「精(せい)

を補う作用があります。

 

血(けつ)」「津液(しんえき)」「精(せい)」について

 

【血(けつ)】

 

血(けつ)はいわゆる血液をさしますが、

一般的にいわれている血液というと酸素を供給する赤血球を

イメージされることが多いですが、血液より幅広い意味をもちます。

 

「血は身体に栄養や潤いを与え、身体を構成する要素の一つ」なのです。

 

血液=血球+血漿であり

血漿中の栄養素(アミノ酸や血糖、コレステロール、ミネラル、ホルモン)

全てをさします。

 

【精(せい)】

 

「精(せい)」は気血の源泉であり、生命エネルギーそのものをさします。

成長、発育に関与する「生命の根幹」となるエネルギーです。

ですから、腎に内包されるているエネルギーになります。

 

生命エネルギーのことを現代では「ATP」「細胞の寿命=テロメアの長さ」

に置き換えて考えると分かりやすいです。

 

【津液(しんえき)】

 

「津液(しんえき)」とは血以外のすべての体液を指します。

体液には組織液やリンパ液、鼻水から汗

に至るまでたくさんの種類があります。

 

 

一方で、現代医学の観点から六味丸の効能を説明しようとすると、

その理論的根拠を明確に示すことは容易ではありません。

これは、伝統医学と現代医学とでは、

そもそも用いている概念、すなわち「ものさし」が異なるためです。

今回、血中アミノ酸という現代医学的な「ものさし」を用いて、

六味丸の作用を検討した研究結果を解説します。

 

【六味丸に含まれるアミノ酸の血中移行を評価した臨床研究】

 

・六味丸(TJ-87)単回投与が健康な

日本人男性6名に及ぼす血清アミノ酸濃度への影響

 

六味丸に含まれるアミノ酸の血中移行を評価した臨床研究

 

どんな臨床研究か

 

六味丸の服用による血中アミノ酸の変化を乳糖内服時、

六味丸とほぼ同様量のアミノ酸を含んだ製剤の

内服時とのクロスオーバー試験により評価しています。

 

結果

 

六味丸の内服は、ほぼ同等量のアミノ酸を含有する製剤を内服した場合と比較して、

血中アミノ酸濃度をより高く維持する可能性がある。

 

 

考察

 

六味丸の内服により血中アミノ酸濃度が上昇し、

他群で認められた経時的なアミノ酸濃度の低下が抑制されたことは、

いわゆる六味丸の「補腎」作用の中でも「血」を補う作用を

現代科学の観点から説明しうる

ひとつの可能性を示唆していると考えられるます。

 

※参考文献

Takahashi H, Nakao R, Hirasaka K, et al.

Effects of single administration of Rokumi-gan

(TJ-87) on serum amino acid concentration of

6 healthy Japanese male volunteers.

Journal of Medical Investigation 2007; 54: 91-8.

医中誌 Web ID: 2007295608 J-STAGE

 

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