2022.08.30
【症例紹介】シェーグレン症候群

【症例】

 

80代女性

半年前から唾の出が悪くなっている

徐々に悪化し、現在は口の中がカサカサで唇の

出血が多々みられる

 

人口唾液が処方されているが、一時凌ぎであり

使用後一定時間過ぎると乾燥感が強くなる

 

医師からは人口唾液を使うことで経過をみるよ

うに指示をうけている

 

その他、シェーグレンに特徴的な症状なし

 

血液検査学的異常なし

 

乾燥感でストレス強く夜眠れない

食欲なし。やせ型。色白

 

舌は乾燥 裂あり

 

既往歴なし

 

併用薬

睡眠導入剤

安定剤

人口唾液

 

 

【治療目標】

 

補性・潤性生薬を中心とした

全身状態を考慮した漢方薬の処方

 

唾液マッサージ法の指導

 

食事や運動について生活養生法の指導

 

向精神薬・安定剤についてのサポート・助言

 

人口唾液の使い方の指導

 

【経過】

 

一カ月目 大きな変化はないが

なんとなく唾液がでている気がする

唾液腺マッサージ毎日している

 

二カ月目 先月と変化なし。睡眠時の乾燥感が強い

 

三カ月目~四カ月目 乾燥が強く口腔内に感染症併発

人口唾液を毎日使いつつ

口腔内消毒液を使用

漢方薬継続

 

五カ月目 感染症治癒。比較的、口の中が潤って

きた。乾燥感改善

 

六カ月目 唾液、しっかりでている。乾燥感感なく

漢方薬を飲み忘れることもある

 

 

【まとめ】

 

難病に指定されているシェーグレン症候群

 

西洋医学では対処療法のみであり

難易度の高い治療となりました

 

東洋医学全般にいえることですが

症状だけではなく全身状態を把握して体質

を変えていくことが治療のカギとなります

 

また、西洋薬の使用は対処療法には必須

であることにも留意すべき

 

乾燥感がなくなった後は再発防止のために

も疾患の特性上、免疫力を養う漢方薬を

補剤として使用していくと、よりよい養生

となります

 

 

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