2023.09.01
【漢方通信9月号】酷暑は9月末まで続く? 「暑さから心身を守る」漢方防御

 季節は、もう秋に変わっています(暦上8月8日~10月20日が秋)。

しかし、この暑さはどうでしょう。気温40度に迫る毎日で、夏が色濃く残ります。

 

9月は本来、漢方薬・麦門冬湯(ばくもんどうとう)による「呼吸器(肺)の滋養」が求められるのですが、暑さへの対応を記すことにします。

夏は、体調が悪くなりやすいもの。特にけだるさを強く感じ、食欲が低下から諸不調の回復に時間がかかります、さらに、眠りの状況が悪くなるものです。

順を追って説明しましょう。けだるさが強いときの、漢方対応です。服薬すれば、早期の改善が期待出来ます。

けだるさが強いとき、『元気がない』という状況が外見からも見てとれます。

そんなときは、ニンジン(人参)配合薬を用います。

「夏は冷たい飲料をとりたい」という身体要求と反しますが、エネルギー補給薬であるニンジンはお湯で服用するのがベストです(お風呂の温度40℃程が良いでしょう)。そうすれば、薬効が早く現れるでしょう。冷水で服用したとき、消化器は冷水を体温近くまで温めなくてはならず、薬剤の吸収効率が落ちてしまいます。「早く元気になりたい」と願うなら、ひと手間かけて、お湯で服薬してください。

 

ニンジン配合薬は数多くありますが、なかでも夏は漢方薬・生脈散(しょうみゃくさん/生薬製剤)が、良い処方です。

夏は汗をかき体液を失いますが、体液補充の生薬(バクモンドウ・麦門冬)も配合されるからです。発汗したとき、これをすぐに服用するのが、体調回復を早める方法です。夏に限らず、スポーツが好きなかたで年中身体を動かし汗をかくのなら、体調保護薬として長期服用も良いでしょう。サウナ好きのかたにも、体調管理薬として勧められます。生脈散同様に、ニンジンに、潤い成分のトウキを加えた漢方薬も良いでしょう。

患者様の体調により異なりますが、漢方薬・補中益気湯(ほちゅうえっきとう)や、漢方薬・人参養栄湯(にんじんようえいとう)なども、身体を守ってくれます。

 

「夏は食欲が低下する」と言うかたが多いもの。高気温だけではなく、「高湿度」が強く関与します。

身体のだるさに加え、「胃もたれ」「冷水を飲むと下痢をする」「冷風を浴びると体調が悪くなる」の不調があれば、漢方薬・香正気散(かっこうしょうきさん)を、やはりお湯で服用してください。

これは利水薬で、停滞する不要物を排除します。香り高い生薬3種(カッコウ・ソヨウ・コウボク)が、回復を早めてくれます。服用すれば間もなく、「食欲回復・下痢が止まる・身体が軽く感じる」の回復状況になるでしょう。1~2ヶ月程服用し続けることを、お勧めします。

 

寝苦しく、寝汗が気になる程でしたら、不眠改善薬・酸棗仁湯(さんそうにんとう)に、漢方薬・杞菊地黄丸(こぎくじうおがん)を添えるように用いてください。身体をやさしくケアし、眠りの質を高めます。

 

暑い時期はあと1ヶ月程続くのでしょうか、苦しい時期を、適した漢方薬の助けを借りながら乗り切ってください。

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