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0120-73-1410今回はしゃっくりの症例についてご紹介します。
80代 男性
【主訴】しゃっくり
【背景】
本人は寝たきりで来局できる状態でなく家族が相談に。
はっきりとした原因はないが
器質的(脳神経障害)変化による影響を受けた
強いしゃっくりである可能性が高い。
一度、しゃっくりし始めると
痙攣性の発作のような強いしゃっくりが続く。
既往歴にくも膜下出血。
かかりつけの病院では
柿蔕湯、呉茱萸湯が処方されて、服用するも無効。
漢方薬が無効だったため
抗不安薬が処方された。
服用するとしゃっくりは止まるが
副作用による影響で1日中寝てばかりの日が続く。
抗不安薬の服用を止めるとしゃっくりがでてくる。
薬で一時的に止められているが
このまま抗不安薬を飲み続けては寝たきり状態になるので
厳しい状況である。根本的に治療して抗不安薬の使用
を最小限にしていきたいとの要望。
食欲はほとんどなく、気力なし、やせ型、冷え性⇒虚弱体質
併用薬:抗血栓薬
【弁証・治法】
弁証:【肝脾不和】
治法:【補脾、理気疏泄】
⇒問診内容を総合して判断すると寒証・虚弱・アトニーを背景にしながら
肝脾不和が影響し
疏泄に滞りが生じて気が逆流している状態(気逆)である。
無効であった漢方薬の内容から考えても
疏泄を未だおこなっておらず、理論的に新しいアプローチの治法である。
【経過】
一ヶ月後:毎日服用できている。
しかし、しゃっくりは続いている。
どうしても、今あるしゃっくりを止めたい。
痙攣性なので本人も辛い。
⇒頓服薬として「半夏瀉心湯」を処方。
発作時に抗不安薬を使用することは重要である。
横隔膜周囲の筋肉を傷める可能性があり
また、発作的に繰り返すので精神的にも辛い症状である。
抗不安薬の使用を躊躇わないよう説明。
二ヶ月後:しゃっくり続いている。
しゃっくりの頻度が減っていない。
頓服の半夏瀉心湯についても効果を中々、実感できない。
抗不安薬を飲まざるをえないので
1日中、寝てしまっている。
⇒呉茱萸処方。併用を指示
理論的にも陽虚(陽が不足し冷えている状態)であり
温めることで脾を整えながら気血の流れを促す
呉茱萸湯は正しい処方である。
漢方薬の併用による相乗効果を期待する。
患者には根気強く服用を続けていくことを説明。
三ヶ月後:突然しゃっくりが止まる。
また、抗不安薬を中止してもしゃっくりは再発しない。
本人の意識も明確になり、適度にリラックスした状態である。
【総評】
このように症状的ではなく体質改善的に
漢方薬を使用することで根本から治療できた良い例になります。
厳しい状況でしたが、養生や治療を続けた成果があらわれています。
抗不安薬や漢方薬の服用や日頃のケア等
ご家族のケアも適切だったことも幸いしています。
著者:渡邉翔
自分で症状や体質に合った漢方薬を選ぶのが難しい方、
体質改善や自然治癒力の向上といった
日頃の健康維持目的で取り入れたい方など
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