2023.04.01
【漢方通信4月号】朝起きられない・さぼりじゃない/起立性調節障害の漢方対応(NHKテレビ番組)【漢方通信4月号】

3月20日にNHKで「東洋医学ホントのチカラ」という番組が放送され、漢方や針灸やつぼなどの方法が説明され、それぞれや併用による病の改善方法が分かりやすく示されました。

なかでも印象的だったのが、「起立性調節障害(きりつせいちょうせつしょうがい)」の例でした。

これは、ご本人にさぼる気持ちはないのですが、身体が思うように動かず、「立っていると気持ちが悪くなる」「朝、起きることが出来ない」「慢性的に身体がだるい」「立ちくらみ(めまい)」「顔色が青白い」「食欲不振」「少し動くだけで動悸がする」などの状態を示すものです。

ひとつの治療例が示されました。中学1年は皆勤賞の女子生徒が、2年の初夏に部活の朝練中にだるくて動けなくなり、その後上述の不快症状に悩まされるようになり、学校を休むことが増えたと言います。いじめなどの状況では、ないようです。大学病院を受診し入院、早期回復を目指し漢方治療を行うことになりました。

主治医は「気虚(エネルギー不足)」の診断をくだし、漢方薬の治療が始まりました。用いた薬は、五苓散(ごれいさん)と柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)の2薬ということです。結果として、うまく改善に向かい、1カ月で退院することが出来、3ヶ月後には登校を徐々に再開し友人と遊ぶことも出来るようになったとのことです。漢方がひとを笑顔にしていく状況を知り、うれしい気持ちになりました。そしてまた、「診断者によって、選ぶ治療薬がかなり異なるのだ」とも感じました。

気虚という診断であるなら、やはり薬用のニンジン(人参)配合薬の可能性を考えるものでしょう。この女子生徒は、昔で言えば貧血という言葉で表現された不調ですので、漢方的には「気血両虚(きけつりょうきょ)」の診断で良いのかも知れません。補気基本薬でニンジンが主薬の四君子湯(しくんしとう)を主に、血流を改善する基本薬の四物湯(しもつとう)を添えるように用いるのも、良いものだと思います(両薬を併せたニュアンスの、十全大補湯という漢方薬もあります)。その場合、身体が早く回復するように、40℃ほどの温湯で、食間(食事と食事の間の空腹時/例えば10時・3時・19時など)に服用してください。

漢方を学ぶ者は、実地で治療にあたる医療資格者は、「患者さんがいかに早く病を忘れ、笑顔になれるか」を懸命に考え、治療にあたっています。かがやく青春の1ページを、病院のベッドで悩みながら過ごすのは、とてもつらかっでしょう。見守る家族も、祈る気持ちで日々を過ごしていたでしょう。病状を捉え、治療に適切な医薬品を選び、病に苦しむかたを早期で笑顔になってもらう、そんな気持ちを決して忘れず、わたしたちは漢方を学び治療し続けたいと思います。

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