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2025.06.01
【漢方通信6月号】生薬や薬膳・養生を身近に

こんにちは、薬剤師の冨山です!
6月は梅雨入りする時期ということもあり、
今回は、湿気に対する対策をご紹介したいと思います。

湿気が多い日や梅雨時はどういうことが身体で起こりやすくなる?
湿度が高くなったり、水分を余分に摂りすぎたりすると、うまく水分が代謝されにくくなり身体にも
湿気がたまりやすくなります。身体にたまってくる湿気を、中医学では「湿」と表します。
「湿」が身体にたまっていくと、だんだんとドロドロしていき、汚れの多い水道管のパイプのように、
詰まりやすくなってきます。ドロドロして詰まりやすくなった状態は「痰湿」などと言われ、「痰湿」と
呼ばれる状態になると、重だるさや吐き気・のどのつまるようなかんじ等、様々な症状へつながっ
てきます。また、湿の性質は重いので、身体上部の症状からはじまり、下半身への症状へと移行しやすいのが特徴です。

 

身体に湿が多い時に出やすい症状
1. 舌がぽてっとし、歯の跡が舌の縁(ふち)につきやすくなる 2. 身体が重だるい
3. むくみやすい 4. 水様便、軟便 5. のどが詰まるような感じや悪心・嘔吐
6. めまい 7. しびれ etc・・・

 

梅雨時のおすすめ食材
はとむぎ(ヨクイニン) 利水消腫・滲湿、健脾止瀉など
冬瓜         清熱利水、消腫解毒、生津徐煩
コーン茶       利水消腫、利湿退黄、清熱
黒豆         祛風利水、活血解毒、滋陰補血
エゾウコギ      祛風湿、補肝腎、強筋骨、利水
※【はとむぎ】は粉末も販売しています。
普段からスープや飲み物などに入れていただくのもおススメです。

 

おすすめ食材の効能については、主に①むくみなどに対し、身体の余分な水分を除き水の代謝機能を回復させる

おなかの働きを助け下痢を和らげる 役割があります。
「清熱」と記載のあるものは暑さを感じるときに取り入れるとより良いです。上記以外にも、
寒くて湿気の多い日(辛味・温性のもの)→生姜、ネギ、シソ、みょうが、三つ葉、カルダモンなど
暑くて湿気の多い日(寒涼性のもの)→緑豆、金針菜、しじみ、はまぐりなど のような使い分けも

 

湿気が多い時のおすすめ漢方
【藿香正気散(かっこうしょうきさん)】
気温が低く湿気の多い日や、暑い日でも冷房にあたり冷えてしまい不調がある方におすすめで
す。構成生薬は温めるものが多いため、「冷え」というのもポイントです。
〈食欲不振、下痢、全身倦怠感(服のまま水につかったときのようなだるさ)、初期の感冒・頭痛など〉の症状によいです。ご自身が当てはまるのかどうか分かりにくい場合は、是非ご相談ください。
中国ではポピュラーな漢方で、病院でも処方されますが、一般用医薬品としても販売されているそうです。また、日本での販売は粉薬のみですが、藿香正気水として水剤(アルコールが含まれ、においが強め)やカプセル剤としても販売されています。中国の方が藿香正気散を求めてご来店されたこともあり、実際に使用されているんだなあと勉強にもなりました。※店舗によっては、お取り寄せになることがございます。梅雨というと、ジメジメした印象が多いかと思いますが、農作物が豊かに育つ
ための季節でもあります。蒸し暑いですが、冷たいもの、生ものを摂りすぎてしまうと身体を冷やし、身体が冷えることで水分代謝も低下しやすくなります。ご自身の身体を大切にしながら、梅雨の時期も乗り切っていきましょう!
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